2014年3月31日星期一

実態は共同議長体制

コラム:「仕事師」イエレン議長とアジェンダの重み=鈴木敏之氏

2014年 03月 24日 10:53



<実態は共同議長体制>

最後にもうひとつ、今後の米金融政策を読み解く上での重要なポイントを押さえておきたい。

オバマ大統領は、FRB副議長にフィッシャー前イスラエル中銀総裁を指名した。すでに上院の公聴会を終えており、承認されれば、イエレン=フィッシャー体制となり、これは実質的に共同議長体制と言える。

フィッシャー氏はマクロ経済学の研究者として大きな実績をあげているが、教師として傑出しており、バーナンキ前FRB議長、ドラギECB総裁、そしてFRBの最重要ポジションであるFOMCセクレタリーのイングリッシュ氏、チーフエコノミストのウィルコックス氏がその教え子である。

国際通貨基金(IMF)副専務理事時代にアジア危機への対処に取り組み、見事に危機をおさめ、その後、それらの国々が比較的堅調な経済成長を遂げていることが注目される。そして、金融危機下でイスラエル中銀総裁として、その対処も成し遂げている。

では、このイエレン=フィッシャー体制のアジェンダは何か。それは、金融の安定だろう。


先日、フォワードガイダンスにも弊害があることを、国際決済銀行(BIS)が四半期報告で痛烈に指摘した。ゼロ金利を続ければ、金融不均衡、すなわちバブル膨張が助長される心配をすべきというのである。完全雇用回復のためにゼロ金利を続けるとなると、この問題をクリアしなければならない。その対処には、健全な金融監督が有効であり、必要である。そのとりまとめ役として、フィッシャー氏は適任だ。

金融システムの健全性を確保し、金融緩和で雇用情勢を一層改善させ、さらにシェール革命による追い風も吹くとなると、米国経済には明るい見方ができる。中銀総裁たちがアジェンダを果たしてきた実績をみると、その展望は侮れないところがある。

*鈴木敏之氏は、三菱東京UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチのシニアマーケットエコノミスト。1979年、三和銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。バブル崩壊前夜より市場・経済分析に従事。英米駐在通算13年を経て、2012年より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(タオバオ代行

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

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